9/8 杞憂、注意喚起(やや強め)。

最近通販サイトで、海外の無線商品が普通に売られているのを目にします。
総務省では以前から注意を呼びかけていますが、通販サイト等の拡充に注意喚起が追い付いてない状況です。
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国内向けに販売されている、国内向け無線商品には必ず↓この技適※マークがついています。(※技適:技術適合証明)
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値段は関係ありません。電波を出す商品には必ず本体にさきほどの技適マークがついています。例えば、スマホの裏か電池を外した裏側を見てみましょう。マークがついているはずです。
ついていないとしたら、ひとまず使うのをやめてください。国内向け製品なのか、確認しましょう。


無線商品も数多くあるので全部を追っていくときりがないので、いわゆる無線トランシーバーに絞って話を進めていきます。無線屋ですしね。

海外仕様の無線機は大まかに2パターンに分かれます。(具体的な商品名等は挙げません。)


1.FRSGMRSなど。
CB無線や特小無線、マリンのユーザー層がこちらに入るでしょうか。
パッと見ればなんとなく海外製であることはわかるものの、「安い、CH数が多い、よく飛ぶ、○倍の出力」の売り文句が書かれているだけで、「日本国内では使用しないでください」とは書かれていないことが多いです。
また、「国内での使用は違法です」と書かれている事はあっても、「462メガヘルツ帯及び467メガヘルツ帯の周波数を使用する無線機で、防災行政無線及び放送事業用無線などの重要無線通信に妨害を与えるおそれがあります。」とまで記述するようなことは少ないです。
防災行政無線なんかはただでさえ出力(数W~20W)が低いのに、GMRSなどは50W出てしまいますから、完全に電波妨害です。

このタイプの無線機は改造しても国内で使用することは禁止されています。使用した場合、「重要無線通信妨害」として、厳罰を受けることになります。
取り締まられる際はほぼ証拠固めは終わっているので言い逃れは不可能と思われ、交通違反のように軽微な落とし所がないので、初めから買わないことが大事です。
FRSやGMRSとは記述されないことがほとんどなので、買うときはパッケージや定格、サイトの説明書きをよく読んでください。商品名からメーカーを検索かけてみるのもいいと思います。
型番やメーカーがはっきりしない「便利!よく飛ぶトランシーバー」のような商品名はだいたいOUTです。


2.海外のアマチュア無線機
アメリカ、ヨーロッパ、もしくはそれらに沿った仕様の国内メーカーの逆輸入品や、海外の有名メーカーの輸入機、そして最近では中国製の無線機が流通しています。

海外仕様のアマチュア無線機は前提として、そのままでは国内では使用できません。
日本では発信してはいけない周波数で発信できたり、法定の最大出力以上の出力を出せたりするので、買ったそのままで使うとやはり捕まります。
発振周波数や出力を改造によって制限して、国内の規格に沿ったものにして、届出(回路設計や発射試験等、認定)をすれば、自作期と同様、国内での使用が可能にはなります。

国内メーカーの逆輸入品や、海外の有名メーカーのものは、個体のばらつきがほぼなく、実態がわかっているので、届け出はしやすいと思います。(そもそも国内機より高くつくので、わざわざこの方法は取らないかと思いますが)
中華トランシーバーは安価でハズレはあるものの昔ほどは粗悪でなく、やりがいがあるようで、あえてそれにチャレンジする方はいらっしゃるようです。でもやっぱり、ハードルは高いようです。
(この傾向は国内機の販売代理店小売店としては杞憂でしかないので…十分気を付けてお楽しみください、とは言えません。)
それはともかく、間違っても、買ったそのままで使わないでください。


こちらに一部の事例が掲載されています。
http://www.soumu.go.jp/soutsu/kanto/re/jyubou/
繰り返しになりますが、違法無線機の違法運用で捕まります。電波法の違反を軽く見ないほうがいいです。
違法無線機の運用というだけでなくどの規格でも、発信してしまった周波数によっては「重要無線通信妨害」となります。(5年以下の懲役、250万以下の罰金と、威力業務妨害より刑が重いです。)
ここまで注意をご覧になって、「特定されなきゃ大丈夫でしょ」「どうせ特定なんかされないよ」という方はどうぞご自由に、とは言いませんが、周囲の人を巻き込まないように。どうか自分だけの責任でおつかまり下さい。